大針ビレッジ通信 4月号(3)

大針ビレッジの魅力
1 企画者に聞く 2 建築士に聞く 3 こんな自然素材が使われている


3 こんな自然素材が使われている
このコーナーでは、大針ビレッジで使われている自然素材や、人にも環境にもやさしい生活を送るための工夫をご紹介します。

木材
愛知県三河産のスギ・ヒノキを使用
外装:スギ板(赤身)15mm下見板張りの上、ドイツ・オスモ社製無公害塗料「ワンコートオンリー」を使用。上部は漆喰塗り。
内装:床…ヒノキ板15mm張り、天井…スギ板40mm、壁…スギ板+漆喰
キッチン…シンク周りはヒノキ集成材+ドイツ・リボス社製自然素材塗料「アルドボス」使用、棚は無垢ヒノキ、ガスレンジ周りはタイル張り
障子…ヒノキ材  梁:スギ120mm×180〜300mm 管柱:ヒノキ120mm角
管柱:ヒノキ150mm角  土台:ヒノキ120mm角

住まう人と同じ地域に育った木材をできる限り多く使った住まいこそ、その地域の気候風土にもっとも適していると考えます。
この地域の木を使うことは、森林資源の造成を促進させ、山にお金を還元することで地方産業の活性化につながります。森林保護とは木を切らず使わないことではありません。木を使い続けなければ森は守れないのです。

体にやさしい水
万博会場の木
ビレッジ全戸に浄水機を設置しました。
水道水を全部ミネラルウォターに変えるので、お風呂の水から台所の水までアレルギーのある方でも安心して使用できます。

庭木の中には、万博会場となった愛知県青少年公園から会場設置工事で邪魔になるということで譲り受けた木もあります。
(写真はA棟前のハナノキです。E棟前にはハンノキが植えられています。)


塗料 シャモット
無公害塗料:オスモカラーを使用しています。
無公害塗料を標榜するドイツ生まれの代表的な木材保護塗料。大豆油、ひまわり油、あざみ油などの植物油とワックスがベースです。自然塗料のいちばんの特徴は、木材の表面に膜をつくって呼吸を妨げるような悪さをしないことです。浸透して木の香りや木目をいかしつつ、湿度の調節機能も損ねないという特徴があります。
「シャモット」とは、製造や検査工程の中で出てしまった規格外品:「瓦クズ」を細かく粉砕し、粒子を一定の大きさ毎に分けて製品化した瓦のリサイクル材です。
大針ビレッジの戸外通路は、この「シャモット」とコンクリートを混ぜたものです。


土(漆喰・珪藻土)
砂利床工法
大針ビレッジの内装壁面は、漆喰塗りと珪藻土塗りの棟があります(写真は珪藻土塗り)。
調湿性に優れた高機能珪藻土を主原料に、粘土の凝結力で固化、結合させ、樹脂やセメントは全く使用していないため、一度固化しても再利用できる日本初のリターナブル材料「リターナブルパウダー」を使用しました。

■珪藻土体験会のご案内
床下に砂利の層を設け、蓄冷・蓄熱効果を室内気候にゆるやかに取り入れようとする基礎工法の一種です。
大針ビレッジでは、ベタ基礎の下に、厚さ約40cmの砂利を敷き詰めました。
年間を通じて外気と比べ温度差が少ない地熱を室内に取り入れることで、冷暖房に頼らない温度調節を行います。


ソイルセラミックス 瓦
「ソイルセラミックス」は、焼かずに固める製法でつくられたタイルです。原料は採石廃土に藁すさ・珪砂などで、焼かないことで、「土」の柔らかい質感、素朴な風合いを再現します。製造時のエネルギーの消費量がセメントの約1/2、二酸化炭素(CO)の排出量がセメントの約1/4と少なく、省エネや環境負荷の抑制に寄与します。製品を細かく砕けば原料として再利用できるリサイクル商品であることから、エコマークなどの認定を受けています。大針ビレッジの玄関にはすべて「ソイルセラミックス」を利用しました。
三州瓦:「三河粘土」と呼ばれる良質な土を原料にした540年以上の歴史を持つ瓦。
大針ビレッジでは、特注のパールホワイト和瓦を使用しています。熱や光を反射させるため、その表面温度は普通の和瓦に比べ、平均5℃、最高で9℃も低いことがテストで判明しました。よって厳しい名古屋の夏の間も屋根裏の温度上昇を低く抑えることができます。
また、瓦には、寒い冬の夜などに逆に屋内の熱を外に逃がしにくいという性質もあるため、一年中快適に過ごすことができます。