概要:屋根瓦を黒から白へ

私のコーディネートで約20棟の初期型自然素材企画住宅を提供しました。
このモデルを基にさらなる快適性、安全性、経済性を高めた新モデルの検討を“オセロプロジェクト”と称して推進しています。
このネーミングは、このプロジェクトの大きな柱の一つ「白い屋根瓦」の利用により、従来多用されてきた黒い屋根瓦をオセロのようにひっくり返すことをイメージして採用しました。
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快適性:パッシブな温熱環境を

■白い屋根瓦(エコハート)を採用することにより太陽熱を室内に伝えにくくしています。

夏の厳しい陽射しのもとで、普通の和瓦に比べ白く輝く瓦の表面温度は、平均で5℃、最高で9℃も低いことがテストで判明しました。(従来製品パールホワイト瓦でのテスト値)
小屋裏温度の上昇を抑えることでエアコンの光熱費削減にもつながる省エネ瓦でもあります。

これも高温多湿の厳しい日本の夏を少しでも快適に暮らすための工夫です。
オセロプロジェクトではこの白い瓦の利用を推進します。
白い屋根
▲大針ビレッジ:全棟に白い屋根瓦を採用

■基礎下には瓦クズシャモット
を入れ「調温・調湿機能」利用し、夏冬両方で過ごしやすい環境をつくります。
シャモット
シャモット(chamotte)とは、瓦を砕いて粉状あるいは粒状にしたものをいい、工場から発生する規格外瓦を再生利用したものです。
瓦は焼き物のため内部に小さな空隙があります。
この構造が蓄熱・蓄冷・吸水・保水能力を生み出します。
■土壁
の蓄冷・蓄熱機能をさらに活用するため、従来よりも厚みを増し、一定の壁量を確保しました。
(耐震性にもつながります)

経済性:良いものを長く

985モジュール採用
■家のモジュール(基準となる寸法)は通常、関東間(910mm)が基準ですが、「自然素材の家」は、京間(985mm)を採用します。
畳のサイズ
「自然素材の家」は、京間(985mm)を採用します。
尺貫法の範囲なので、在来工法の大工さんでの施工が可能です。

木材の端材も少なく、経済的でかつ資源の有効利用ができ、同じ6畳間でも、関東間より畳1畳以上広くなります。
よって8畳間を作らなくても程の良い広さを感じることができるのです。

自然素材企画住宅はいずれも総床面積30坪前後のコンパクトハウス。
モジュールが大きいと家がコンパクトになり、
「小さく造って大きく暮らす」
という程の良い広さや空間を提案します。

985モジュールでは、押入れの両面使いができるため、多くの収納スペースが確保できます。

両面押入れ
▲押入れの両面使い(部屋側・廊下側 両方に収納スペースを確保)

■「良いものを長く」の概念で自然素材をふんだんに使った家はまさに「呼吸する家」長寿命の家です。

また、オーダーメイドの家と違い、「企画型」にすることで家族構成が変わったとき、住み手が変わってもにも簡単にリフォームができる造りになっています。

安全性:体にやさしく、地震に強く

■平屋建てに屋根裏仕様のAタイプ、1.5階建て仕様のBタイプ、ともに総2階にはない心地よさがあります。

吹き抜け構造を採用することで開放感を持ちつつ建物の高さを抑えることによって耐震性を高めました。
建物の基礎に蓄熱層をつくることで、建物全体の温度を一定に保つ仕組みがなされています。
部屋間の仕切りは、引き戸または戸なしにして遮断性を低くし部屋間の温度差が少ない開放的な家を提案します。

建物内での空気の循環も意識しており、1,2階での温度差も少ない構造です。

1号棟:上山の家(名古屋市瑞穂区)

和合の自然素材生活館A棟を基本にした新A-2モデルは約22坪の平屋建ての屋根裏仕様で、その第1棟目は名古屋市瑞穂区に「上山の家」して2014年1月に完成しました。

同年4月には2号棟が、9月には3号棟が完成。
2号棟以降は「暮らし拝見」コーナーにてご紹介しています。

上山の家
▲1号棟:上山の家

■外壁カラーに今まで使ったことのない“グレー”を採用しました
オセロプロジェクトでは4色の選択が可能となりました

•無塗装
•アンティークブルー
•グレー
•ブラウン

■平屋建ての屋根の傾斜を5.5/10に設定(一般的には4.5/10)して、屋根裏に居室を2室配置。
屋根裏部屋の天井高を確保しました。
■基礎部分の蓄熱システム「サーマスラブ」を採用
■白い屋根瓦に加え棟換気システムを採用